知っておきたい健康管理

03.プレコンセプションケアを始めてみませんか?

10代~30代の方が、将来の妊娠を意識して取り組む健康管理は、「プレコンセプションケア(プレコン)」と呼ばれ、現在、注目されています。
「プレコン」とは、プレ(pre=〜より前の)コンセプション(conception=妊娠・受胎)の略です。将来の妊娠を考えながら、女性やカップルが自分たちの生活や健康に向き合うことで、子どもと、将来の母親・父親としての健康をしっかりつくっていこうという考え方なのです。

ケアの対象は、妊娠を望んでいる女性だけではありません。
男性も含めて、また、年齢は10代から対象となります。
女性やカップルが、生活にプレコンセプションケアを取り入れることで、生まれてくる子どもとその家族が健康的な生活を送ることに役立ちます。

(参考)

自分の体を知っておく
10代〜30代の年齢のうちから、自分自身の健康状態をしっかり把握できている方は、それほど多くはありません。
とくに妊娠・出産は、女性の体に多くの負荷がかかるため、健康な体をつくり、維持する方法を知っておくことが、今後の妊娠・出産のためにはとても重要です。
女性の体はデリケートです。ストレスやホルモンバランスの影響などにより、さまざまな不調が起こりやすいため、注意しましょう。
プレコンでは、自分の健康状態を知ることの大切さは、男性も同じです。
体重の変化や、ストレス、健康診断などで生活習慣病のリスクを確認することなどを意識しましょう。

(参考)

『今』ケアすることで未来が作られる
「将来の健康や特定の病気へのかかりやすさは、胎児期や生後早期の環境の影響を強く受けて決定される」という説があります。母親の妊娠前から妊娠中、授乳中の栄養状態が、生まれた子どもの健康や、病気にかかるリスクに関係しているといわれているのです。今、自分の食生活などを整えることで、生まれてくる子どもが、大人になってから病気にかかるリスクを下げられるかもしれません。

(参考)

まずはこれ!今すぐにでも始めてほしい2つのこと
妊娠しやすく健康的な体は、一日ではつくれません。「プレコンセプションケア」をキーワードに検索すると、やるべきことが、たくさん並んでいるかもしれません。まずは次の2つから始めてみましょう。

1 適切な体重管理
過度なダイエットや不規則な生活のために、体重が、健康とされる値から外れている方も少なくありません。
適正な体重の目安となるのは、BMI(体重㎏÷⦅身長m⦆²)  です。計算してみましょう。BMIの標準は18.5〜25未満ですが、日本人の場合は、22が「病気にかかりにくい」体重と言われています。

(参考)

2 バランスの良い食生活

  • 一日三食、一回の食事に主食・主菜・副菜の3つをそろえる
    一回の食事で、主食(ご飯やパンなど)・主菜(魚や肉などを使ったメインのおかず)・副菜(サラダなど、野菜を使ったサイドのおかず)を組み合わせることで、糖質、タンパク質・脂質・ビタミン、ミネラルや繊維などの栄養バランスのとれた食事を摂ることができます。

和食

  • 食事で補えない栄養はサプリメントを活用する
    葉酸は、胎児の正常な発育に欠かせず、妊娠前から、きちんと摂っておくことが重要な栄養素です。主にブロッコリー、ほうれん草、納豆などに多く含まれています。食事でとることが理想的ですが、サプリメントで服用することも効率的です。
    なお、ビタミンやミネラルを補うサプリメントも販売されていますが、自分にとって本当に必要か、食生活全体を含めて考えてみましょう。日々の食事で、しっかり補えるとよいですね。

葉酸を多く含む食品

(参考)

未来のために今から自分のケアを始めませんか
一人一人の方のライフプランもさまざまとなっている今、プレコンは、現在妊娠を望んでいる女性だけが対象ではありません。妊娠・出産の希望の有無や男女にかかわらず、プレコンの大切さを知った今日から少しずつできることを実践していくことが重要です。
未来の自分と、未来の大切な人のために、プレコンセプションケアを始めてみませんか?

監修:久保クリニック/水野 千鶴先生

ひとりで悩まないで、とても大切な妊娠・出産のこと 相談窓口のご紹介
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