いま、あなたにできること

01.自分のカラダはひとつだけ

自分のカラダはひとつだけ画像

妊娠・出産には適した時期があるというお話をしてきました。
年齢が上がるほどに妊娠しにくくなり、出産のリスクも高まると認識した上で、子どもがいる人生、子どもがいない人生のどちらを選ぶのか、これからどんな人生を送っていきたいのか、一人ひとりがちゃんと考えていかなければなりません。
そして、自分のカラダと心を意識してケアしながら、コンディションを整えておくことが大事です。いまをどう過ごすのかで、10年後20年後の自分の心身の状態が決まります。将来の可能性を広げるために、健康的な生活でカラダと心をいたわってあげましょう。
そして相手に対しても思いやりの気持ちを忘れずにいてください。

また、妊娠した場合、初期の頃風しんに感染すると、お腹の赤ちゃんに難聴や心疾患などの先天性の病気(先天性風しん症候群)を引き起こす恐れがあります。
妊娠を考えている場合は、相手も含め予防接種をすることが大切です。
詳しくは、「神奈川県風しん撲滅作戦 特設ページ」をご覧ください。

02.月経周期の数え方

あなたは、自分の月経周期をご存じですか?月経周期を正しく把握すると、自分のカラダに起こる変化を知ることができます。
月経周期とは、月経の始まりから次の月経開始までのことを言います。月経の正常周期は25日~38日程度、順調な月経の期間は3~7日間ですが、個人差があり、ホルモンバランスやストレスなどによって変化しがちです。

月経周期の数え方

この表を使って、あなたの周期を計算してみましょう。月経が始まった日に「1」と記入し、次の日は「2」、以降「3、4、5・・・」と記入してください。
次の月経が始まったら、その日がまた「1」です。この表では、月経周期は28日になります。
より正しい周期を知るためには数回分のデータをとり、「平均値」を出しましょう。自分の生理周期がわかると、正常な月経なのか、異常な周期なのかを判断する1つの目安になります。
また、月経周期が変化するということは、排卵する時期も変化するということ。毎月、いつ妊娠してもおかしくないということですから、子どもを望まないのであれば、しっかり避妊についても考えてください。子どもを望んでいるかたは一度ライフプランライフプランを作ってみてはいかがでしょうか。将来のことを見据えて自分のカラダと向き合いながら「子を産む」ということを考えることができるかもしれません。

03.基礎体温からわかること

自分の月経周期を把握し、きちんと排卵しているかを知るために基礎体温をつけましょう。継続的に測定・記録すると、月経周期のパターン、排卵の有無、妊娠しやすい時期などカラダと心のリズムがわかり、いまの状態を知るバロメーターになります。

基礎体温からわかること

基礎体温とは、人間が生きていく上で必要最低限のエネルギーを使っている時の体温なので、本来は寝ている時の体温です。ただ、寝ている状態で測ることは難しいですから、目覚めたらそのまま動かずに布団の中で検温します。できる限り、毎日同じ時間に測りましょう。
用意するものは、基礎体温計と基礎体温表です。基礎体温計(婦人体温計)は、小数点第2位まで正確に検温できます。普通の体温計では基礎体温の変化はわからないので注意してください。舌下の中央のすじの両側が正しい検温の位置です。検温したら、基礎体温表に記入しましょう。スマートフォンのアプリを利用するのもいいですね。続けやすいように、自分に合った工夫をするのが大切です。また子どもを望んでいるかたは一度ライフプランライフプランを作ってみてはいかがでしょうか。「子をつくる」タイミングに関して向き合うことができるかもしれません。

たとえ規則的に月経がきていても、無排卵性月経といってきちんと排卵していないことがあります。この場合は、基礎体温をグラフにしたときの形でわかります。
個人差はありますが、女性の基礎体温は一般的に「低温期」と「高温期」があり、低温期の平均と高温期の平均の温度差は0.3℃以上です。もっとも妊娠しやすい時期は排卵日、排卵日の前3日と後1日です。

ホルモンの影響で、女性のお肌やカラダの調子、気分にリズムが生まれます。
「月経後から排卵期前後」は、女性がいちばん輝く時期です。エストロゲン(卵胞ホルモン)が分泌されるのでお肌の調子がよくなって、食欲も落ち着くのでダイエットにも適しています。カラダの調子がいいと気持ちも穏やかになりますね。
「排卵が起こる当日~2、3日前」から黄体ホルモンであるプロゲステロンの作用で基礎体温が上がっていきます。ニキビや吹き出物、顔のむくみ、目のくまが目立つなど肌トラブルが起こりやすい時期です。
「排卵が終わる」と、カラダも心も不安定な時期に入ります。月経が近づくとカラダがほてった感覚で気づくとボーッとしていて集中できない状態になります。眠気や倦怠感があり、体重も増加しやすく、何となくイライラ、悲観的になったりする時期です。体温が下がると、その日に月経がスタートします。

基礎体温で普段から自分のカラダの状態を把握することで、気分や体調をコントロールしやすくなります。
また、妊娠しやすい時期をある程度推測できますが、いわゆる「安全日」を推測することはおすすめできません。いま、子どもを望まないのであれば、しっかり避妊についても考えて欲しいです。

04.避妊法について①

避妊にはいくつかの方法があります。一般的にはピルの服用とコンドーム使用の2つです。

ピル

ピルは、女性が服用することで女性ホルモンを調整し、排卵をおさえる、子宮内膜を妊娠しにくい状態にすることなどで避妊します。婦人科の医師に処方してもらい、毎日一錠ずつ服用します。正しく使えば他の避妊法に比べて高い避妊効果があります。ピルは女性が自分自信でしっかり妊娠をコントロールし、主体的にできる避妊法です。
ピルの服用によって初期には吐き気や胸のはりなどの副作用がみられることがありますが、服用開始から3ヵ月以内に大部分がおさまります。服用中は血栓症、心筋梗塞、脳卒中になるリスクが少し高くなることが指摘されていますが、体調が悪くなったり、気になる症状が出た時は婦人科の医師に相談しましょう。最近は、過多月経の治療、生理痛の緩和、貧血の改善、ニキビの改善などでもピルが用いられるケースも増えてきています。

コンドーム

コンドームは男性が装着して、精液を膣の中に出さないことで避妊する方法です。正しく使用しないと他の避妊法に比べて避妊率は下がりますが、比較的簡単に購入でき、性感染症の予防にも効果があります。また、ピルとコンドームの併用によって、避妊と性感染症予防の両方の効果が得られて、より安全に性行為を行うことができます。

避妊についてはパートナーとよく話し合い、それぞれが協力しながら自分のカラダやライフスタイルに合った避妊法を見つけましょう。

05.避妊法について②

避妊法には、ピル、コンドームのほか次のような方法もあります。

避妊法について②

IUD
IUDは、子宮内に小さな器具を挿入し、受精卵が着床するのを防ぐ方法です。銅を付加したものなど数種類あります。一度装着すると数年間使用できますが、月経血量が増えるなどの副作用がみられることがあります。婦人科医師に挿入してもらい、定期的に医師の検査を受けます。
避妊手術
避妊手術は、手術により、男性の場合は精管(精子の通り道となる管)、女性の場合は卵管(卵子の通り道となる管)を糸で結ぶか切断する方法です。いずれも一度手術をすると、元に戻すのは難しくなります。
緊急避妊法
緊急避妊法は、避妊をせずに性行為をおこなった場合や、コンドームが破れるなど避妊に失敗した場合などに、妊娠を防ぐ方法です。緊急避妊薬を用いる方法のほか、子宮内に銅を付加したIUDを挿入する方法があります。
緊急避妊薬は、婦人科医師の指導のもとで、性行為後72時間以内に服用します。100%確実な方法ではなく、また、服用後に性行為を行ってしまうと、避妊効果はなくなります。(緊急避妊についての診療が可能な医療機関については、厚生労働省ホームページで確認できます。)

また、リズム法(オギノ式、基礎体温法)、性交中絶法(腟外射精)などを避妊法に含む場合もありますが、失敗する確率が高く、おすすめできません。

いずれの方法にしても、パートナーとよく話し合い、それぞれが協力しながら自分のカラダやライフスタイルに合った避妊法をみつけましょう。

06.こんな症状に注意しましょう!

こんな症状に注意しましょう!画像

女性のカラダは、とてもデリケートで個人差があります。特に月経に関して、このような症状がある方は注意してください!

月経の量が多い
月経の1、2日目にレバーのようなかたまりが少し出るくらいならば心配ありません。もしそれが毎回のように多く混じったり、何度もナプキンを交換しなければならないような普段とは違う出血量だったり、月経時期ではない時に出血があった場合は、ホルモンバランスが崩れているだけではなく子宮筋腫、子宮内膜症などの病気が潜んでいる可能性があります。出血量が多いと貧血になることがあり、顔色が悪くなったり、めまい・息切れを起こします。
月経痛がひどい
耐えられないほど痛みがひどい場合は、子宮内膜症などの病気の可能性があります。
月経が3ヵ月以上ない
健康な成人女性は、ほぼ月に1回規則的に月経がみられます。ただ、就職活動や仕事などの大きなストレス、過激なダイエット、激しいスポーツなどで月経がやってこなくなる場合があります。また、妊娠の可能性もあります。
基礎体温がバラバラ
原因として考えられるのは、排卵そのものがない、排卵障害を起こしている場合です。また、ストレスによる自律神経の乱れやカラダの冷えなども考えられます。

以上のような症状があらわれたときは、一度婦人科を受診・相談しましょう!早めに治療することによって症状が落ち着き、妊娠・出産への影響が緩和される場合もあります。

07.男性に気をつけて欲しいこと

男性に気をつけて欲しいことイメージ

男性の場合、AVや雑誌、アダルトサイトなどから間違った知識を得てSEXを覚えたという人や、現実離れした行為でしか性的興奮が得られなくなったりする人もいます。
AVなどは非現実的でパートナーの感覚を無視したものが多いため、その通りにしようとするとパートナーを傷つけてしまうこともあります。 正しい「性」の知識をもっていないと自分が困るだけではなく、大切なパートナーを傷つけてしまうので、お互いのカラダについて正しい知識をもつことが大切です。
また、自分の性欲とパートナーの性欲はタイミングや強弱等が必ずしも一致するとは限りません。パートナーの気持ちを尊重しましょう。

男性に気をつけて欲しいことイメージ

最近は、正しいマスターベーションの仕方がわからない若者が増えています。偏った知識で自己流に布団にこすりつける等してマスターベーションを続けた結果、膣内射精ができなくなり、不妊の原因になることもあります。
肥満の人は、精液検査の結果が良くないというデータもあります。
正しい食生活と適度な運動によって健康的なカラダを保ちましょう。学校のこと、仕事のこと、将来のこと、恋愛のことなど、ストレスを感じる場面はたくさんあると思いますが、ストレスは射精の量に影響します。好きな時間、楽しいことを増やすなど、できる限りストレスをためない生活を心がけましょう。

08.自分のカラダをいたわり、パートナーへ思いやり

自分のカラダをいたわり、パートナーへ思いやり画像

人は生まれてから大人になるまではほぼ同じペースで成長しますが、老化は個人差がとても大きいです。これまでの1日1日があなたのいままでの人生を造り上げてきたように、いまの過ごし方、生き方がこれからのあなたの人生、カラダの状態を作っていきます。楽しく、やりたいことに取り組みながら、将来の可能性を広げるためにも、自分のカラダをしっかりいたわり、健康的な毎日を送りましょう!
また、自分の性欲は自分のもの、パートナーの性欲はパートナーのものです。相手に無理強いをしてはいけませんし、パートナーに無理に合わせる必要もありません。性行為をするかしないか、したいかしたくないかは、自分の気持ちを大切にして、イヤな時はパートナーにそう言いましょう。
自分の気持ちと同じようにパートナーの気持ちを大切に、お互いに思いやりを忘れないでください。

ひとりで悩まないで、とても大切な妊娠・出産のこと 相談窓口のご紹介
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