01. 女性のカラダ

女性は、思春期に初潮を迎えます。女性ホルモン分泌が盛んになり、妊娠・出産が可能となる大人の体型へと変化し始めます。
生殖器には、カラダの外部にある外性器と内部にある内性器があります。
外から見える部分にはお腹側から、尿が出る外尿道口、月経血が出る膣口、便が出る肛門があります。膣口は膣の出入り口であり、膣は出産時に赤ちゃんが通る産道でもあります。
膣、子宮、卵管、卵巣などがある内性器は、妊娠から出産までのドラマが育まれる舞台のような大切な場所です。主な器官のそれぞれの役割などをご説明します。

02. 子宮

子宮は受精卵が育っていく袋です。20~40代には鶏卵くらいの大きさで、洋なしを逆さにしたようなカタチをしています。
子宮の上端部を子宮底と言い、左右の端は卵管とつながっています。
子宮壁の厚さは1cmから2cm。子宮壁のもっとも内側の層は、子宮内膜と呼ばれる粘膜層で、卵巣が分泌するホルモンの影響を強く受けます。月経は、この子宮内膜がはがれ落ち、血液とともに子宮口、膣を通って体外へ排出されて起こります。
03. 卵巣

卵巣は、命のもととなる「卵子」が入っている場所です。大きさはうずらの卵くらいで、左右に1個ずつあります。
卵巣の内部には「卵胞」(らんほう)と呼ばれる構造があり、それぞれ1つずつ卵細胞を包んでいます。卵胞が卵細胞を成熟させて卵巣から排出させるのが、「排卵」(はいらん)です。排卵のときには、1個の卵胞は卵巣のかなりの部分を占めるくらい大きく育っています。
04. 卵管

卵管は、長さ約10cmの左右1対の管。卵子を卵巣から子宮へ運び、精子と卵子がタイミングよく出会うと「受精卵」となります。受精卵が厚くなった子宮の内側に着床すると妊娠が成立します。
05. 男性のカラダ

妊娠・出産について考えるには、男性のカラダのことも知っておくのはとても大事です。
男性の生殖器は、精巣(せいそう)、精管(せいかん)、精嚢(せいのう)、前立腺、陰茎(いんけい)、陰嚢(いんのう)などからなっています。
06. 精巣

精巣(睾丸)は、陰嚢と呼ばれる袋状の中に左右1対あり直径4~5cmほどの卵型。精巣で精子が作られ、精管を通って尿道まで運ばれます。
07. 精管

精管は、精巣で作られた精子を尿道まで運ぶ直径約3mm、長さ約40~60cmの細長い管です。精子は射精された後、卵子(らんし)をめざして女性器の中を泳がなくてはなりません。そのエネルギーを保存しておくために、精管のぜん動運動で精子を運んでいます。
08. 精嚢

精嚢は、前立腺の後ろに一対ある長さ5cmほどの袋状の器官です。精嚢液を分泌して射精のときに精子と混ぜ合わせ精液を作ります。
09. 前立腺

前立腺は、クルミほどの大きさ。前立腺液という精液の一部を作り、精子に栄養を与えたり、精子を保護する役割をもっています。
10. 陰茎

陰茎は、女性の生殖器に挿入して体内に精子を送りこむための外性器です。
11. 陰嚢

陰嚢は、精巣(睾丸)を包む袋です。精子を作るのに適切な温度を維持する役割です。
12. 勃起と射精のしくみ

勃起とは、陰茎が硬くなって起(た)つ生理現象のことです。そのとき、陰嚢や精嚢も上に上がってきます。
勃起には2種類のパターンがあり、大脳の興奮が脊髄の中枢神経に伝わる「中枢性勃起」と物理的な刺激による「反射性勃起」です。
精液が尿道を経由して外尿道口から放出される「射精」のためには、この図のように陰茎が勃起していることが必要です。
卵子は、お母さんのお腹にいるときに数が決まっていますが、精子は思春期以降毎日作られます。一度に射精される精子の数は2~3億個とも言われています。その中で卵子と受精できるのは、たった1個です。受精って、ドラマティックな営みなのです。